早池峰山

一昨日から右側の肩甲骨あたりにむくみができ,どうしたものか右往左往している。天気はぱっとしない。暑くて気だるい日である。

早池峰山(はやちねさん,1913.4m)は花巻市,宮古市,遠野市に隣接する山塊であるが,どうしても遠野の山という認識になってしまう。古い言い伝えが豊富な遠野の里と神々しい早池峰が結びついてしまうのである。

早池峰山へは学生時代,2度ほど登った。最初は1人で,2度目は妻(となる女性)と妻の友人とである。

早池峰の直下に小田越という峠があり,花巻からその近くまで路線バスがあった記憶がある。その路線バスが鶏頭山の麓の岳集落までだったのか,小田越近くまで行っていたのかはよく憶えていないが,1泊目を小田越山荘という無人小屋に泊まった。

早池峰はハヤチネウスユキソウで有名である。ハヤチネウスユキソウはエーデルワイスの近隣種であり,ぜひ見にいきたいと思っていた。

小田越が既に1200mの高度にあるので,早池峰の頂に立つのは比較的容易である。小田越から早池峰まではほぼ直登する。登山道は大きな岩がゴロゴロしており,岩を登るようなものである。

頂上近くになると岩のあいだにウスユキソウが顔を出す。葉の部分も白い毛で覆われ,小さい花を咲かせている。「可憐」という言葉がぴったりの花である。岩手という雪深い地と岩に覆われた山がウスユキソウを育てたのであろう。

最初の登山は1976年の7月である。24歳の私はたいへん感動してしまったが,そこ頃はまだ妻(となる女性)と知り合っていなかった。妻と知り合ってから,是非もう一度妻と登ってみたいと思い,登ったのが2度目の登山である。そのときは前日に遠い地で用事があって,夜遅くに花巻からタクシーで小田越まで行った。妻たちは昼間に別便で小田越まで来ていたから,夜遠くにタクシーのライトが見えるのが異様な景色に見えたそうである。

(2019年8月24日 土曜日 曇り)