祖母山

祖母山(1766.4m)を主峰とする祖母傾山系は九州を代表する山系である。大分県と宮崎県の県境にまたがる雄大な山々である。高さは九重連山の中岳(1791m)の方が高いが,九重連山へはその中腹までやまなみハイウェイが通り,アクセスがよい。それに加え,木が生えていない草原の山であるので,高さ,険しさをあまり感じない。それに対し,祖母傾山系は森林で覆(おお)われ,麓からアクセスするしかない。そのため,私の中では本当に山らしい山ととらえていたのである。

祖母山には柔道部の友人3名といっしょに登った。たぶん,私が3名を誘ったのだと思う。すこし山登りになれ自信をつけ,どのようなものを持っていけばよいかだんだん分かるようになってきていたのだ。

大学内で登山に行く前の記念写真がアルバムに残されている。竹田市からバスで山に入った。登りの勾配は急で,ほとんど周りの景色を見る余裕がなかったように思う。途中,上から下山者二人ずれと遭遇し,その一人がクラスの同級生と分かり,驚いたことを覚えている。彼も大学の終わりに近づいて,自分のしたいことをしようとしているんだなあと感じた。

頂上近くの九合目小屋に泊まり,翌朝,高千穂峡方面に下った。高千穂峡の記憶はあまりない。高千穂峡で3人と別れ,私が一人先に帰ったのかもしれない。

(2019年8月8日 木曜日 晴れ)