飯野山


本日は朝から雨模様のため,外の作業はできないなあと思いながら,遅い朝食をとっていた。そうこうしているうちに,雨は小雨になった。漠然と外を眺めながら,そうだ,飯野山なら,なんの用意もいらずに登れると思い立った。

飯野山(いいのやま),別名讃岐富士は我が家から最も近い山である。それでいて,円錐形のきれいな形をしているので,最近,人気が出てきている。人気が出たもう一つの理由は,歩いてしか,頂上に立てないことである。本州や九州のちょっとした山では,それは当然のことであるが,香川県内に限っていうと,ほとんどの山は頂上まで車で登れる。だから,車用の登山道路がついていない飯野山は貴重なのである。

登り口は,飯野口,川津口,飯山(はんざん)口の3か所ある。我が家から最も近いのは,飯野口である。飯野口を少し登ると伊勢神社にでる。伊勢神社は山崎集落の家々が主な氏子の神社である。かつては森深い中にある神社であったが,すぐ横を高速道路が通るようになってから,静寂さにやや欠けるようになったのが残念である。神社はりっぱで,戦争犠牲者を慰霊する忠魂堂もある。

伊勢神社の横のアスファルト道路を上に登るとグリーンヒルという団地があり,さらに登ると野外活動センターに至る。ここが本当の登山口である。登山口から続く山道を行かずに,登山道とほぼ平行な石段を登る。この石段は,信貴山讃岐別院宝性寺跡に続く石段である。私が小学生のころには,宝性寺の本殿はまだあって,祭りの余興かで行われるくじ引きでにぎわっていたという記憶がある。本殿跡の裏手には大きな,2つに割れた石が今も残っている。

本日は小雨なので,山は静寂かと思いきや,鳥の声が多く聞こえる。こんなに鳥が多かったのかと思いながら,登る。前から,男女の二人づれが下って来,挨拶を交わす。川津口との合流点から少し進むと,後ろからお元気なご老人が登って来,私を追い越す。

中腹を過ぎると,もやで,前後の登山道がかすむ。ニャーオという声がするので,目を凝らすと猫がいる。こんな山の中腹になんでいるんだと,心配になる。さらに進むと,もやはさらに濃くなり,頂上に着いた頃には,10メートル先がよく見えなくなった。

おじょもの足跡があるところへ行くと,そこから下る細道がある。その細道はいままで通ったことがなかったが,飯野山ならば遭難することもあるまいと慢心し,下る。細道は急勾配で,思った以上に距離があった。本来の登山道に出たときには,急坂と小雨のため,少々疲れが出た。なお,この細道は本来の登山道に出たところで,ロープが張られていたから,通行禁止の細道であろう。

12:30 自宅 → 伊勢神社 → 宝性寺跡 → 14:20 飯野山頂上 → おじょもの足跡 → 15:00 通常登山道出会い跡 → 15:50 登山口

(2018年12月3日 月曜日 小雨)