何できよんな

讃岐の挨拶方言に「何できよんな」というのがあります。表面的な意味は「どんなことして,すごしていますか」ということですが,それより,「お元気?」という挨拶代わりに使われることが多いようです。

私はこの言葉がなかなか苦手です。よく言われますが,どうしても「今,何してるの」と聞こえてしまい,何もしてないなあと心の中で思いながら,なんと答えていいか,わからなくなって,会話が弾みません。

私が一人で,森や野を散策するのを好むのも,私のこのような傾向に起因しているのかもしれません。

私が一人で森や野を散策しているとき,常にリラックスできているかと自問すれば,実はそうでないこともあります。

知らない森の道に入り,歩いていると,しばらくは周りの音に大変敏感になります。鳥が急に羽ばたいたり,声を出したりして,びくつくことがあります。また,木の擦れる音や枝が落ちる音に恐怖心に近い気持ちを持つときもあります。

私がリラックスできるのは,歩き始めて,20分とか30分経った頃です。体が温まり,周りの音が気にならなくなります。

そうすると,私は様々な空想に耽(ふけ)ることができます。木々や,道から見えるさまざまな景色に対し,勝手な空想で頭いっぱいになります。そのとき,私は本当にリラックスします。

リラックスできたとき,私は森や野を散策するのが本当に楽しくなります。そうして,またどこかへ行きたいなあと思うのです。