神谷神社界隈


昨日の新聞に神谷(かんだに)神社の記事が載っているのを妻が教えてくれた。その記事によると,香川県内の国宝は本山(もとやま)寺の本堂と神谷神社の本殿の2つしかないそうである。神谷神社についてはいままでまったく知らなかった。場所的には,五色台の坂出側山すそにある。

そこで急遽,神谷神社に行くことにした。今日の大きな目標は2つある。1つ目は神谷神社を訪問することである。2つ目は浄土真宗の寺にいく折りには本堂の前で正信偈を読み上げることである。正信偈とは浄土真宗系の門徒が唱えるお経みたいな文書である。そのことを妻に話すと,家でもそんなこと,したことがないのにどういう風の吹き回しなのかと疑問を呈したが,まあ,なんとなくしてみたいのである。本山寺に行ったとき,お遍路さんが唱えるお経の声に影響を受けたのかもしれない。

清立(せいりゅう)寺の,道を挟んだ反対側にある駐車場に車を止め,まずは清立寺にお参りする。清立寺は浄土真宗のお寺なのでここで正信偈をあげようと算段していたが,本堂にお参りすると中から門徒らしき人々の賑やかなお経を唱える声がする。それで,この寺で正信偈を唱えるのはあきらめた。清立寺は大きくて,掃除の行き届いたりっぱなお寺であった。

清立寺から神谷神社までは直ぐである。神谷川に沿ってさかのぼると,神谷神社の拝殿に行きつく。苔むした狛犬がいい雰囲気を醸し出している。拝殿から見る本殿は遠くてよく見えない。本殿の周りは塀で囲っているから,本殿に近づくことはできない。裏にまわり,塀越しに本殿の屋根を眺め,国宝を堪能する。

神谷神社から東鴨神社に行く道の途中で,岩屋寺の登り口を示す石碑がたっていた。地図を見ても,それらしいお寺は見当たらないが,時間的に余裕があったので,岩屋寺に寄り道することにする。道ばたには小さな緑色の小鳥が群れをなして,トゥルトゥルという声をあげて鳴いている。家に帰って妻にその小鳥のことを話すと,それはメジロではないかという。

岩屋寺は山の中腹にあった。弘法大師が開いた遍照院の末寺で,大きな岩の下に掘り抜いた洞窟に本尊が安置されていた。ちょうど,本尊の前に信者の拝む場所が用意されており,そこに般若心経があったので,般若心経を読み上げた。気持ちが安らかになる場所である。

岩屋寺から山を下り,東鴨神社に行く。東鴨神社は地域の氏神様を祀った神社である。そこで昼食のおにぎりを食べていると,母親と二人の子供たちがやってきた。子供たちが「こんにちは」と元気な声であいさつをしてくれる。私も笑顔であいさつをかえす。のびやかな子供たちである。

東鴨神社の近くにある正蓮(しょうれん)寺もりっぱなお寺であった。この寺は我が家の宗派と同じ寺であるので,本堂で正信偈をはじめて唱えた。

ブロッコリーやレタス,人参が植えられた広い畑のあいだの農道を進み,犢山(うしのこやま)天満宮を経由して,駐車場に戻る。疲れたが,気分のよいウォーキングであった。

(写真は塀の外から取った神谷神社本殿の裏側である)

(2019年11月23日 土曜日 曇りのち晴れ)