大坂峠


大坂(おおさか)峠は香川県東かがわ市と徳島県板野町を結ぶ道(旧道)の峠である。

古くはこの地に讃岐街道(旧旧道)が整備され,徒歩で山越えをしていた。明治期に牛馬によって荷物の運搬ができる旧道が新たに整備された。今回,通ったのはこの旧道である。

現在では車が通過できる県道(新道)が整備されている。また,JRの鉄道や高速道路は大坂峠をトンネルで通過している。

讃岐相生(さぬきあいおい)駅に降り立ったときには,山はまだ靄っていたが,小坂神社を過ぎ,旧道の登り口に来たときには,空は晴れ渡り,木々の緑がまぶしいくらいになった。

登山道にしては広く,こう配の緩やかな道が続く。土の感触と,落ち葉の触れ具合がちょうどよい。

しばらく登ると,県道と交差し,その先に最初の目印の鉄塔が見えた。小鳥の声がさわやかに聞こえる。

高速道路に近づくと,車の出す音がやかましく聞こえる。高速道路の反対側の峰に来,再び静寂を取り戻す。

このあたりでは,カラスの声がしない。最初の展望台の下に来る。なるべくしんどいことはしないようにしているので,今回も展望台に上がることは止めた。緑の木々の間を進むことで,十分な楽しみを得ている。

香川県と徳島県の県境は二つの山の間の峠状の道にあった。県境の標識はあるが,大坂峠の標識はない。

そこから,しばらく緩やかな登りを行くと大坂山(392.5m)の展望台の下に出る。そこで休憩し,おにぎり1個とバナナ1個を食す。バナナは今回,妻が持っていくように勧めてくれたものである。妻に電話し,無事であることを報告する。

やはり,この展望台にも登らず,下山する。最初は緩やかな下山道であったが,急に急坂の下山道に変わる。地図で確かめると,この辺りを大坂越と記してある。徳島県から登るとこの辺りが昔から厳しい山道だったのだろう。

足がやや,疲れてきたが,坂に任せて,歩を進めると,思いのほか,阿波大宮駅に早く着いてしまった。予定の列車より一つ速い列車で帰宅する。

讃岐相生駅 8:25 → 小坂神社 → 鉄塔 9:35 → 展望台下 10:20 → 県境 11:05 → 大坂山展望台下 12:10 → 大坂越 12:30 → 大宮神社 → 阿波大宮駅 13:30

(2019年5月15日 水曜日 晴れ)